【SPAM!】スパムメールの語源について【SPAM!】
スパムメールというのをご存じですか?
日本語では迷惑メールなんて言い方もされますよね。
大量のメールを大人数に無差別に送り、広告を見せたり危険なURLを送ったり、果てには高額な不当請求をしたりなど立派な違法行為です。
ではなぜスパムメールと呼ばれるのでしょうか、食品のスパムと何か関係があるのでしょうか。
スパム……それはひき肉を塩漬けにしたアメリカ生まれの缶詰。日本でも毎日数多くのスパムが消費されています。
ハワイ土産としてもらうことの多かったスパムですが、最近では普通にスーパーで売っていたりと、食文化として定着するのも、もしかしたら遠くないかもしれません。
スパムむすび食べたい。
さて、そんなスパムですが始まりは缶詰、SPAMの方。
缶詰のスパムが先にあって、それをもとにして「スパムメール」というものが生み出されたのです。
この二つの関係について書き下していこうと思います。
1.缶詰スパムの誕生と定着
2.イギリスの誇るあのグループ
3.誕生、スパムメール
1.缶詰、スパム現る。
1937年 スパムはアメリカ軍のレーション、つまり軍隊の食事用に生み出されました。
軍隊の中で訓練や、それこそ命をかけた戦いをする人たちは当然普通の人よりもカロリーの高い食事をとらなければなりません。
そのため缶詰で保存がきいて、高カロリーのスパムは軍隊に重宝されたのです。
そんな中1939年、第二次世界大戦がはじまります。
当時イギリスは深刻な食糧難に陥っていました。
元々イギリスは農業が上手くいくような気候ではなく、作物ができても全イギリス人の胃袋を満たすほどは収穫できません。
そのため食糧の輸入を行っていたのですが、戦争のせいでそれが滞ってしまったのです。
ならば、とアメリカは友好国のイギリスに大量に作ったスパムの缶詰を送りました。
さて、イギリスは第二次世界大戦が終わっても、食料を輸入に頼っていました。
世界が混乱し、貿易が上手くいかない中でイギリスは慢性的な飯不足に陥るのです。
パンもない、ジャガイモも配給制…………しかしスパムだけは大量にある。
結果、イギリスの家庭にはスパムが大量に並ぶようになったのです。
こうして、イギリス中にスパムが出回り、子供たちはスパムに食生活を支配された中で育っていきます。
話は飛びますが、あなたはイギリスのコメディグループ、モンティ・パイソンを知っていますか?
イギリスの食生活がスパムばかりになったという話はしましたが、彼らはまさにその世代。
彼らは小さなころからスパムスパムスパム……。
「今日はスパム、明日もスパム、その次もそのまた次も、またまた次もスパムスパムスパム…」とは誰の言葉だったでしょうか。
別にスパムはまずい食べ物でもないとは皆さんご存じでしょうが、人間毎日見るものには飽きが来るもので、イギリス人はみんなスパムにうんざりしていたのです。
そんな時代を生きた彼らが大人となりもう少しまともな
イギリスの食文化に「まとも」があるのかは疑問ですが
食卓を送っていたころにモンティパイソンは大ブレイクしたのです。
モンティパイソンのスケッチの一つ、「スパムの多い料理店」で
永遠に連呼されるスパムと、それを称賛するヴァイキングたちという荒唐無稽なギャグは大うけ、モンティパイソンの数ある傑作のひとつに数えられます。
3.スパムメールの誕生
こうしてスパムというものは「数ばかりあって飽きるもの」として世間に定着します。
スパムの販売会社からしたらたまったものじゃない
そんな折、技術的革新の末、コンピューターもまた世間にも広く流通します。今皆さんが使っているものもコンピューターですね。
コンピューターは便利なものですが、どんなものにも悪用しようとする人間が現れます。
大量のメールを送って巨利を得ようとする人間……彼らのこの行為はモンティパイソンにちなんで「スパム行為」と呼ばれるようになったのです。
ひいてはそういったメールのことを「スパムメール」と呼ぶようになったのです。
当時(1980年代)のアメリカ人に名付けられたこの名前は当然スパムの製造会社に激怒されます。
今現在製造会社のホーメル・フーズ社は
スパムメールのことを
「spam-meal」と呼び
缶詰のスパムのことを
SPAMと大文字で書くことを呼び掛けているようですがあまりうまくいっていないようです。